面従腹背 2018 4 7
防衛省及び自衛隊では、
昨年、存在しないとされた書類が、
今年になって存在すると発覚して、
大騒ぎになっていますが、
これは、文民統制を揺るがす大きな問題です。
こうした問題は、
一昨年と昨年、女性の防衛大臣だった稲田氏に起因すると思っています。
稲田氏は、自民党の政調会長時代は、
立派な仕事をしていたにもかかわらず、
防衛大臣になると、なぜか女性を強調する服装で周囲を驚かせたり、
艦船を視察した時は、ハイヒールで歩き回り、
現場の兵士からは、大きな不満が出ていたという話を聞いたことがあります。
艦船の甲板は、特殊塗装がしてあるので、
歩き回る場合は、運動靴が望ましいのです。
こうした細々とした問題が積もり積もって、
兵士からも防衛官僚からも、
「面従腹背」という状態が起こってしまったと推定しています。
このような「面従腹背」問題は、
他の省庁でも、あり得ることです。
専門的な知識がないまま大臣に就任すれば、
官僚から見れば、「大臣は名誉職のようなもの」と見えるでしょう。
国民から見れば、「大臣はアナウンサーのようなもの」と思うでしょう。
基本的に、大臣の国会答弁は、官僚が作成しています。
それどころか、「就任あいさつ」すら官僚が作成する場合があります。
さらに、短いコメントすら官僚が作成して、
記念式典の「大臣あいさつ」ですら、官僚が作成するという有様です。
これでは、官僚から見れば、「大臣は操り人形」、
国民から見れば、「大臣はアナウンサー」と見えるでしょう。
最近は、こうした問題が学生に認知され、
大学生の就職活動において、
優秀な人材が民間企業へ流れてしまうという問題が起こっています。
昔は、優秀な人材は、官僚になっていました。
大臣病 2003 8 11
『墨子』 「貴義」 大臣病
近頃の人間は、矛盾している。
豚一頭を差し出して、料理しろと言えば、
それを料理できない時には、できないと言って、辞退する。
ところが、大臣になってくれと言えば、
たとえ、できなくても、平気で引き受ける。
実に矛盾している。
(このテーマは、今から、約2500年前の中国で、議論されたテーマです)
<参考文献>
「中国の思想 墨子」
和田武司(訳) 徳間書店